研究概要 |
研究初年度である平成12年度は,当初計画では映像情報表現語の同定と初心者-熟達者の映像読み取り構造の差異の検討から開始する予定であったが,これらの調査の基礎となる,授業場面を準備するにあたっての基準(学生が学ぶべき授業技術)の整備と,近年の技術を利用したマルチメディア型実践力向上支援システム開発及び映像情報表現語に関する調査を実施するための素材作成から開始した。 1.教育実践における授業技術の事例収集と教材化 学生が学ぶべき授業技術を同定するため,鳴門市内の学校との共同研究体制(学校-教育委員会-大学のパートナーシップ)をベースとして,教育実践力を反映していると考えられる授業における種々のアイデアと学生向け教材(推測型Web教材)の開発を行った。例えば,学習者の学びを支援するための学習環境の整備に関するアイデアである。これらのアイデアは,主にコンピュータの教育利用に関する授業から抽出したものであるが,算数の授業場面においても活用できるものである。大学での講義で利用し,その評価を教材の理解度および利用可能性の観点から評価したところ,それぞれ高い評価であった。 2.マルチメディア型実践力向上支援システム開発のためのストリーミング素材の開発 マルチメディア型の実践力向上支援システムのコンテンツ開発,初心者と熟達者の映像の読み取り情報の差異を同定するためには,授業場面を多人数で試聴できるストリーミング素材を開発する必要がある。そこで,上記鳴門市内との共同研究体制の中から収集した授業場面をReal Networksの新しい技術であるSMIL(Synclonized Multimedia Integration Language)によって授業場面の情報を動画(ビデオ映像と音声:Real Media),板書(イメージデータ:Real Pix),発言(テキストデータ:Real Text)の3つの要素に分け,同時に配信できるコンテンツを開発した。
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