研究概要 |
本年度は、以下の手順で研究を進めた。 (1)代表者がこれまで研究を進めてきた、ブロック玩具のように実際に手で操作しさまざまな形を作ることができるIBlocKと名づけた実世界指向インタフェースの問題点を検討した。その結果、1)結合部の耐久性が低く子どもの乱暴な操作によって容易に破損する,2)認識精度が低い,3)拡張性がないの三つの解決すべき問題を抽出した. (2)一方で,実世界指向インタフェースとGUIとの比較利用ができるよう,GUIベースのタイル絵制作システムの開発を行った. その結果、以下のような成果が得られた。 (1)問題点として指摘した認識精度を高めるために,データ伝送をアナログ方式からデジタル非同期シリアル伝送方式に変更し,回路の再設計を行った.その結果,各モジュールにセンサやモータ,LEDなど情報を入出力できるポートも用意でき,拡張性についても高めることができた.一方で,結合部の耐久性については,研究室での加工には限界があることをあらためて確認するとともに,用途に合わせた結合部の再設計を行った.特にタイル絵制作活動における,タイル状モジュールについては,結合部を既製部品とセンサを組み合わせることで解決の目処を立てた. (2)代表者がこれまで開発してきたソフトウェアは,特定のOSでしか動作しないものであった.そこで,次年度の実験において学校教育や社会教育の現場へ持ち込むことができるよう,可搬性を高めるために,JAVA言語により記述し直した.これまで開発してきたソフトウェアと同等のタイル絵制作ができるとともに,例えばタイル状の実世界インタフェースにより作成した絵を画面上にも再現できるなどの連携機能も持たせた.
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