本研究の目的は、教師教育のためのエージェントを利用した対話型授業映像検索環境の開発方法論を提案することである。初年度は、エージェントを利用した対話型授業映像検索環境の基本設計を中心に研究を実施した。具体的には下記の項目にしたがって研究を進めた。 (1)教員の自主研修を対象とした遠隔教育環境の基本設計 現職教員が自宅や学校から自主研修(知識獲得、授業研究)を行うための遠隔教育環境の基本設計を行なった。また、情報教育教材を用いて遠隔教育環境上で実践し、評価を行なった。 (2)エージェントを利用した対話型授業映像検索環境の基本設計及び機能設計 システム上で必要となる支援機能を整理し、各支援機能に対するエージェントを検討しながら基本設計を行なった。また、ユーザインタフェイス部分の基本設計を行なった。さらに、各エージェントの内部状態の表現モデルを検討し、知識工学的手法に基づいた記述を行なった。 (3)教育情報データの抽出とインデックス構成の提案 情報教育の授業実践において必要とされる教育情報データを抽出し、授業実践の映像データを中心にインデックス手法を検討し、項目の構成を整備した。 (4)授業実践事例の撮影・編集と事例入力作業 附属小学校に協力して頂き、実際に情報教育に関係する授業実践事例を撮影した。その際、利用ユーザのニーズに対応するために、同一時間帯に対して複数の映像対象(教室全体、教師、学習者)を撮影した。そして、(2)で決定したインデックス項目に基づき値を記述し、授業実践事例データベースに蓄積作業を行なった。
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