教育の現場においてCAIが利用されることが多くなっているが、近年流行しているグラフィカルユーザインタフェース=GUI環境は、障害児にとって、操作性等の点で敷居が高くなりがちである。また、教育の現場においては、教師が特定の児童生徒を対象にして専用のCAIを作成することが多いが、開発コスト、汎用性等の点で多くの問題がある。 そこで、学習者の障害の種類や程度だけでなく、現在の学習局面に求められている入出力情報などに応じてダイナミックにユーザインタフェース部分を変化することによって、学習者にとって、使いやすい"やさしい"インタフェースを提供する『オブジェクト指向ユーザインタフェース』の実用化のための研究を行った。 昨年度作成した、肢体不自由児を対象とした1ないし5個のスイッチによって、1行1列方式、ブロック選択方式、任意選択方式などに対応したインタフェースの自動生成システムをもとに、国語や算数などのCAIの開発を行った。かわいいキャラクターがアニメーション表示され、学習する児童の関心を強く引き付けるものとなっている。 また、学習する自動のユーザ登録機能などを充実させたため、同一のCAIを異なるインタフェースで動作できるようになった。したがって、実用化に近づいたと考えられる。
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