平成8年度よりWebページを利用したCALL教材作成、授業での運用・評価の研究を始め、平成9年度からは本校情報工学科の藤井諭教授研究室と共同開発したWebページ教材作成・学習支援システム「Web-CALL」を用いて、教材データベースの構築、システム利用の授業の運用・評価に関する研究を続けている。その研究内容については今年度もFLEATIV、IEEE Computer Society ICPADS2000等の国際学会で発表した。 オーサリング機能を持つ「Web-CALL」ではテキスト、静止画、音声、動画などのマルチメディアを素材とした教材作成が可能だが、学習効果が大いに期待される動画利用については、これまで一部の教材での試用にとどまっていた。そこで今年度から、デジタル録画(DV)が可能な録画機器と動画編集専用コンピュータを用いて、効率的な動画教材作成方法、ストリーミング機能を利用した動画教材の提示方法を検討すると同時に、学習者のレベル、ニーズに応じたオリジナル動画教材を開発し、授業での運用・評価を目的とした研究に着手した。 まず、デジタルビデオカメラ、録画機器、照明器具等購入し、簡易スタジオを設置するとともに、画像編集用コンピュータを設置し、デジタルによる動画ファイル編集環境を整えた。そして効率的な動画教材の作成方法を検討するため、テスト撮影した画像(AVI形式)をもとに、音質、画質、フレーム数等設定条件を変えながら、ネットワーク上で効率的に提示できるストリーミング再生用ファイルに変換し、使用するファイル形式を検討した結果、圧縮率が高く、汎用性があり、画質、音声ともに実用に耐えうるReal Player(rm形式)の採用が適当との結論を得た。 現在はrm形式のファイルを「Web-CALL」サーバ上で、QuickTimeやMpeg形式のファイルとのサイズ、再生速度、画質等の差の比較をしながら、動作確認の作業を進めている。また、同時に動画教材のもとになる教材資料(教材スクリプト執筆、問題作成、校正等)作成の準備も進め、国内外の研究者との情報交換をしながら来年度のシステムの授業での運用評価に向けて研究をすすめている。
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