学習者がインターネットを利用して効果的かつ適切に情報発信を行うために必要な表現方法・表現内容に関して、以下の研究を行った。 1)既存の評価基準の収集・検討 国内の各種教育委員会などにおいて、インターネットによる情報発信に関してガイドラインを作成している。そうした、各種ガイドラインを収集し、その内容の検討を行った。その結果、学習者のプライバシーの保護やネチケットなどに関するガイドラインが大半で、効果的・適切な表現方法・内容を支援するガイドラインは作成されていない現状が明らかになった。しかしながら、北米では情報リテラシーと関連してインターネット上の情報に限らず、一般的なガイドラインを作成している事例がみられた。 2)評価基準の提案と実態調査、および検証 収集したガイドラインをもとに、インターネットによる情報発信に関する新たなガイドラインを作成した。次に新しいガイドラインに基づき、学校現場で、そうしたガイドラインの内容がどの程度、意識されているかについて、中学校・および高等学校の教員を対象にインターネットを利用した調査を行い、その実態を把握した。その結果、効果的・適切な表現方法・内容を工夫するような意識が一般的に教員に欠けている実態が把握され、それを強化する必要性が明らかになった。 3)Webページの表現方法上の特徴の抽出要素に関する実証的研究 Webページの表現方法上の特徴の要素としてあげられる項目について、学習者の親和性や理解度への影響の観点から、実証的研究を行った。その結果、いくつかの要素項目が学習者の親和性や理解度に影響を与えることが明らかになった。
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