研究概要 |
1.社会問題研究をねらいとする地理カリキュラム開発論を,A.D.ヒルらが開発した『GIGI』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,脱国家的な様相を帯びたグローバル問題を取り上げること,また各単元の内容は,グローバルな地域格差と,ナショナル・リージョナル・ローカル空間になりたつ問題の階層構造を捉えさせるべく組織化することが明らかとなった。本成果は,日本社会科教育学会『社会科教育研究』第85号に掲載される。 2.異文化理解をねらいとする地理カリキュラム開発論を,C.バー・スティーグらが開発した『世界文化』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,人間の行動様式の機能と構造・変動を説明する社会学の一般概念を取り上げること,また各単元の内容は,人々の行動様式を規定している主意的・構造的な条件と,地域の価値体系を捉えさせるべく組織化することが明らかとなった。本成果は,『兵庫教育大学研究紀要』第21巻に掲載される。 3.地域性理解をねらいとする地理カリキュラム開発論を,L.キューバンらが開発した『世界の人々』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,近代化の程度と方向性の異なる国家地域を取り上げること,また各単元の内容は,地域の文化的な特色(国民性)と,その状況下における人間の意思決定の目的・意味を捉えさせるべく組織化することが明らかとなった。本成果は,『兵庫教育大学教科教育学会紀要』第14号に掲載される。
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