研究概要 |
本年度は,3次元メッシュ形状のモーフィングと形状変形を用いた地形図の多視点投影デフォルメ投影図生成について研究を行った. まず,3次元メッシュ形状モーフィングを,時間軸を加えた4次元メッシュを用いて直接設計する手法の実現に関して研究を進めた.まず,2つの3次元メッシュ形状を補間するため,2つのメッシュの点-面,稜線-稜線,面-点という双対関係に着目して,その間に四面体を埋め込む手法を開発した. さらに,モーフィングの多重解像度設計を実現し,2つの3次元メッシュ形状を粗から密への表現系列に変換する機構を実現した.実際のモーフィングを表す4次元メッシュ形状は,局所平滑化フィルタリングを施すことで生成される.ここに幾何制約を課すことでモーフィングの補間を表す4次元メッシュの形を自由に制御できることが,本手法の特筆すべき点である.加えて,我々は4次元曲面の特異点の振る舞いを注意深く考察することにより,すべての3次元曲面の位相変化(生成・消滅・分割・併合)のパタンを実現する,位相を超えるモーフィングの機構も実現した. 上記と並行に,形状変形を用いた地形図の多視点投影デフォルメ投影図自動生成の研究も進めた.すでに,入力として与えられた形状を,頂上・峠・谷底・尾根線・谷線を用いて解析し特徴領域に分割した後,特徴領域ごとの2次元投影図上における最適な位置と見られる方向を計算するモデルを構築し,プログラムとしての実装を終えている.本手法を用いたデフォルメ投影図は,ある程度人間の地形案内図を作成する際の意図を模倣することができ,現在さまざまな地形特徴に対してその効果を検証している.さらに,Non-photorcalistic rendering手法を用いた,より手描きに近い地形図描画表現や,視点が動的に変化した際progressiveに形状変形が起こす機構の実現が,今後の課題である.
|