研究概要 |
本研究の目的は,並列計算機における高速フーリエ変換(fast Fourier transform,以下FFT)のアルゴリズムの実現および評価が挙げられる。近年,並列計算機の普及に伴い,並列FFTアルゴリズムが様々な研究者によって提案されており,ライブラリとなっているものも多い。ところが,これらの並列FFTアルゴリズムはデータ数がN=2^pのように,2のべき乗で表される場合についてのものが多い。そこで本研究では,並列計算機においてデータ数がN=2^p3^q5^rの場合について多次元の並列FFTアルゴリズムの実現および評価を行う。並列計算機は,大きく分けて共有メモリ型並列計算機と分散メモリ型並列計算機があるが,それぞれのアーキテクチャにおいて最適な並列FFTアルゴリズムは異なるために,本研究では異なるアーキテクチャについてそれぞれ並列FFTアルゴリズムを実現し,評価を行った。これらの研究をもとに,Daisuke Takahashi: A Parallel 3-D FFT Algorithm on Clusters of Vector SMPs,Proc.Fifth International Workshop on Applied Parallel Computing(PARA2000),Lecture Notes in Computer Science 1947,Springer-Verlag,(2000),およびDaisuke Takahashi : A Mixed-Radix Parallel Three-Dimensional FFT Algorithm on Clusters of Vector SMPs,Proc.Tenth SIAM Conference on Parallel Processing for Scientific Computing,(2001)に発表した。
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