研究概要 |
本研究の目的は,XML文書を効率良く作成するために必要な技術を調査・分析し,保守・運用が容易で,かつ正しいXML文書を迅速に作成可能とするソフトウェア生成系の構成方法とその方法に基づく知的なソフトウェア開発環境の構成法について研究することである.その研究目的を実現するために行った今年度の研究実績は以下の通りである. 1.ユーザが効率良くXML文書を作成するために必要となる情報を調査した.その結果,本研究の目的を達成するためには,XML文書の構文を知っている知的なXMLエディタやXML文書の内容を的確に確認できるXML文書表示系,XML文書の性質を最大限活用した履歴管理手法が重要であることがわかった.特に,XMLエディタでは,開始タグを挿入したときに自動的に終了タグを挿入してくれる機能やXMLの文書型を定義するDTDを利用したタグの補完機能,XML文書の構文チェックの自動化などが必要とされることが分析できた. 2.以上で調査した結果に基づき,XML文書を効率よく作成するときに問題となる事項を調査検討した.その結果をもとに,その問題点を解決する新しいモデルを考案し,その処理系のプロトタイプを作成した. 3.また,XML文書の適切な情報の表示方法について調査し,XML文書を作成するときに有効となるソフトウェア開発モデルを考案し,そのプロトタイプを実現した. 4.以上作成したプロトタイプを対話性,情報の提供機能,文書生成能力,開発環境の観点から比較検討し,その一部を学会で発表した.
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