研究概要 |
今年度は当初の計画どおり,「進化ソフトウェア」を構築するための方法論を確立することに焦点をあて研究を行った. まず,インターネット上の有益な情報を効率よく収集するために巡回エージェントを提案した.巡回エージェントは,インターネット上を自律的に巡回させることで,ユーザが望まないような不必要な情報を収集することなく,効率的に情報収集することができた.また,エージェントどうしの協調動作などを行うことで,各々のエージェントは重複した情報を収集しないため,高速に検索結果を得ることもできた.なお,小規模なネットワークを構築することにより,分散ネットワーク環境のもとで巡回エージェントの挙動解析を行う予定だったが,そこまでは至らなかったので次年度の課題となる. 次に,ソフトウェアを再構築するための効果的な知識ベースを実現するために,自然言語処理における形態素解析について取り組んだ.この成果としては,データベースのデータサイズが大きくなるにつれて,データベースからの検索結果が遅くなるという問題があるが,本研究では二分探索とハッシュ法を用いることで高速化に成功した. また,進化ソフトウェアに関連して,分散最大制約充足問題における高速化アルゴリズムの研究や遺伝的アルゴリズムによる最適化に関する基礎的な研究なども行い,それなりの成果をあげた.次年度は,今年度の成果を踏まえ,もう少し具体的に問題領域を決定し応用研究も行う予定である. 以上の研究成果を論文としてまとめ公表している.また,学会の全国大会などにおいても口頭発表により研究成果を報告している.
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