研究対象であるXMLデータの問合せ言語について、WBCで現在検討されているXQueryとその代数モデルであるXML Query Algebraについて調査を行なった。XML Query AlgebraではCategory TheoryのMonad lawsに基づく問合せ最適化が提案されている、これは入れ子関係データベースにおける代数レベルでの最適化技術として開発されたものをXML Query Algebraに拡張したものである。これに対して本研究で開発中の問合せ最適化技術は、論理レベルの問合せ書き換え手法であり、問合せ元を代数レベルに変換する前に適用されるので、一般に代数レベルでの最適化よりも効率的な最適化が可能となるしたがって、本研究が対象としている問合せ最適化技術は有効であることが確認された。 また、本研究で開発中の問合せ最適化手法の要素技術であるマジックセット書き換え法は、変数として取り及えるものに対してadornmentsを付加して問合せ書き換えを行い選択条件をより早く評価する問合せ式に変換するものである。今年度は、このマジックセット書き換え法を適用する論理として、高階の意味を保持しながら一階の文法で記述できる、F-logicやその拡張であるHi-Logについて調査を行ない、本研究で採用する論理の基礎的要素を調査した。
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