本研究では、氾濫する知的資源を有効に再利用するために、必要なものを多角的に探し出す手法のひとつとして、コンテクストを利用した情報管理・検索システムの構築を目指している。本研究では、コンテクストを定義し、これを管理・操作する言語の設計・実装し、コンテクスト情報を利用した情報管理機構の構築を行う。 平成12年度は、パリ南大学のスピラトス氏らの提唱するコンテクストの定義、及びQuery言語を基にしてコンテクスト情報DBのプロトタイプを作成した。 さらに、これにアクセスするためのインタフェースとして、北海道大学で開発されたIntelligentPadを用い、コンテクスト情報そのもの、及び、コンテクスト情報の管理・検索機構をすべて、パッドと呼ばれるメディア・オブジェクトとして実現した。 これにより、既存のIntelligentPadの機能に、コンテクスト情報管理・検索機構が導入され、IntelligentPadをベースにしたコンテクスト情報活動を可能とした。 次に、コンテクスト情報に基づく情報アクセスのための3次元空間を設計し、これを3次元メディア・システムIntelligentBoxにて実装した。情報アクセス空間は、オブジェクト空間とコンテクスト空間から構成される。ユーザの情報アクセスは、これらの空間遊泳により、行うことができる。 以上により、コンテクスト情報に基づく情報アクセスを支援する、2次元及び3次元のインタフェースの基本アーキテクチャを明らかにした。
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