研究概要 |
今年度は,昨年度の研究の結果を踏まえて,我々が従来より研究を行っているマルチエージェント型物体認識システムに対して,以下の2点の拡張を行った. (1)室内画像の認識時における定性的空間推論機構の導入. 室内シーンにおいては,通常,物体が物体の上に載って存在している.そこで,物体が物体を支える関係である支持関係を定性的に推論することによって,画像からだけでは認識困難な物体の存在を推定したり,誤認識された物体候補を除去することを可能とした. この成果は電子情報通信学会論文誌に「物体間の支持関係を用いた室内画像の認識」という題目の論文として発表した. (2)多重解像度解析の導入による高解像度画像の利用. 昨年度までのシステムは,画像中にある程度以上の大きさを持っている物体しか認識出来なかったが,高解像度画像を用いることによって,従来よりも小さな物体の認識が可能となり,詳細に画像を認識することが可能となった.この場合,単純に高解像度画像を利用すると処理時間が大幅に増大してしまうが,本研究では,多重解像度解析を導入することによって,処理時間の増大を必要最低限に抑えることができた. この成果は電子情報通信学会論文誌に「A Multi-resolution Image Understanding System Based on Multi-agent Architecture for High-resolution Images」という題目の論文として発表した.
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