研究概要 |
本研究では、1対話型進化計算(IEC)のインターフェイス改善、2補聴器のIECフィッティングシステム(IEC-HAFS)の実用化、3IEC-HAFSのデータ解析による聞こえの知見獲得、の3つを目的としている。本年度はこれらの実現に向け、下記の項目を実施した。 1-(1)インターフェイス改善の成果の公表 2-(1)市販補聴器を用いたプロトタイプ2の構築 (2)補聴器ユーザを対象としたプロトタイプ2の評価 3-(1)補聴器シミュレーションを用いたプロトタイプ1の再構築 (2)プロトタイプ1による聴覚障害者の聞こえの知見獲得 1-(1)では本年度までの成果を広めるため、進化計算(EC)の一種である遺伝的アルゴリズムに関する本の章を執筆、掲載された。 2-(1),(2)では企業と協力し、一般タイプの市販補聴器についてIEC-HAFS(プロトタイプ2)を開発した。そして、複数のユーザに対し、システム操作と結果の評価実験を行った。その結果、専門家の長期的な調整と同等の高いフィッティング効果が得られた。得られた成果については、来年度の国際会議に投稿中であり、来年度中に論文を執筆予定である。 3-(1)ではより高精度の機材を用いて、以前開発した補聴器処理のシミュレート型IEC-HAFS(プロトタイプ1)を再構築した。これについては現在も継続中である。3-(2)では、旧プロトタイプ1で得られたデータを解析し、音の大きさについて従来の測定法の結果と比較した。その結果、純音やノイズによる大きさ特性と自然音によるものはかなり異なる、という知見が得られた。得られた成果については、本年度の国際会議で成果発表した。現在、論文も執筆中である。
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