研究概要 |
本研究の目的は,知識型処理に基づく3次元医用画像の知的「認識・理解・表示」手法の開発を行うことで,高度な医用画像診断支援システムの実現を目指すことである.本研究は次の4つのフェーズからなる。(1)解剖学的知識ベースの表現手法の開発・検討とその実現,(2)知識ベースに基づく臓器認識手法の開発とその実現,(3)知識ベースに基づく臓器理解手法の開発とその実現,(4)統合システムの開発..平成12年度ではこのうち、(1)および(2)の検討を行った. (1)解剖学的知識ベースの表現手法の開発・検討とその実現 知識工学における研究成果をふまえ,解剖学的知識の計算機上における実現方法を検討した.ここでは,計算機に容易に入力可能であり,かつ,認識.理解処理時に利用しやすい知識表現手法を開発した.この結果に基づき,臓器の解剖学的名称,存在位置,形状特徴,機能、一般的な大きさ,といった様々な解剖学的知識を計算機上に入力する手法を検討し,例として気管支の分岐構造,胸部血管系の分岐構造に関する知識の入力を行った. (2)知識ベースに基づく臓器認識手法の開発とその実現 (1)で入力された解剖学的知識ベースを基に,3次元医用画像から臓器領域を自動的に抽出する手法の開発を行った.ここでは,知識ベースに記述されている存在位置,形状特徴を利用することで目的となる臓器領域の抽出を行った.具体的には知識ベースに記載されている情報からモデルを作成し,そのモデルを原画像に合わせて変形することで対象となる臓器領域の抽出を行った.
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