研究概要 |
2000年度は,調査および次の3つの基礎的な研究を行い,経過発表を行った. 多数のセルが干渉し合うセルオートマトン系における共同注視点を,密度分類タスクにおけるルール獲得と捉え,遺伝的アルゴリズムを用いたセルオートマトンルールの自動獲得を実装・評価した. また,補完的研究としてプログラミングコードにおける注視点という観点からペンティアムプロセッサにおけるMMXテクノロジを用いたセルオートマトンシミュレータの高速化法を検討した. さらに,マルチエージェント群の協同現象から導き出される戦略を共進化的に獲得する枠組みを提案した.これをNクィーン問題に適用し,集団間の合意として導き出される解の評価を行った.また詰め将棋といったゲームにおける戦略獲得に応用し,さまざまな競合する戦略間の共同注視点分布として最善手を複数獲得するための枠組みを検討し解のパッケージ化法と提案した. このように複雑系マルチエージェントシステムにおける合意形成を,集団間現象から獲得される集中分布状況とみることで,さまざまな適用を行い獲得した解の有効性を確認した. 上記の研究と同時進行で, ・サッカーエージェントの強化学習システムの実装 ・6脚(1脚3自由度)自立歩行ロボットの製作を行い動作試験を進めた. 今後,サッカーエージェントに関しては,サッカーフィールドの行動空間の空間分割法の違いによるパス動作学習率の調査と獲得された共同注視点におけるゴール達成率の評価を進める.さらに多足自立歩行ロボットにおいて,1脚をエージェントと見ることで,歩行を脚エージェント間の協調動作と見ることで,共同注視点を安定歩行実現のための脚の接地点及び動作ルールとしての獲得のための学習法を検討する.
|