研究概要 |
本研究期間に,曖昧性解消のモデルの改良とともに,曖昧性解消モデルの適用範囲を拡張し,インターネット・コーパスを用いて中国語の単語分割における曖昧性の解消研究と,多種類の言語資源から知識を抽出し統合的な英語の曖昧性解消モデルに関する研究と,文脈類似性ベクトルによる類似的な文脈の解析による語彙的曖昧性解消の研究と,様々な曖昧性解消の研究に基づいて,オンライン言語資源から外国語学習・訓練ツールの作成と訓練内容の自動作成,回答の自動分析など自然言語処理の応用研究を行った.研究成果をまとめて下記の学術雑誌で公表している. 主な研究成果として,第一に,語彙的曖昧性の解消するために,まず,タグ付きコーパスと機械可読辞書から単語間共起,統語関係,意味類似性,品詞情報,文脈の手がかりなどを抽出し,また,文脈的な類似性を計算する.次に,上記の情報を統合的に利用した曖昧性解消方法をアルゴリズムにし,暖昧的な動詞,名詞,形容詞の解消実験を行い,他の方法より高い性能を得たことと広い適用性を持つことが実証された.第二に,語彙的な曖昧性解消のもうひとつの手法を提案した.当手法は,一つの多義語に対し,コーパスとその文脈を使い各意味の文脈的類似性ベクタルを定義し,さらに,そのベクタルと文脈の間のでいストリビューショラル・マトリックスを計算する.値が一番高い語の意味を正解として選ぶ.本手法を評価するために行った実験の結果,当手法の有効性を実証した.第二に,曖昧性解消の応用のひとつとして,を外国語教育・訓練システムの中に,学習者に間違いしやすい問題の自動生成と回答の分析に非常に有効であり,CAIシステムの作成コストと人力を大幅に低減できることがわかり,その成果を発表している.
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