研究概要 |
メタデータとは、インターネット上の様々なデータの個々の属性とその所在を記述したものである。メタデータではそのデータのタイトルや作成者、日付など様々な属性と所在が記述される。本研究ではこのメタデータを手がかりとして、データ形式や機種などに依存しない開かれたデータ更新同期方式を開発し、インターネットあるいはイントラネット上での様々なデータ流通の効率化に役立てることを目的とする。 ソフトウェアの更新に関するシステムとしては、これまでも様々なものが開発、利用されている。それらは更新されているかどうかを定期的か人手による指示を契機として確かめ、更新差分を取り寄せるという「プル型」の機構が主である。また、WWWのミラーサーバなどでも定期的にデータをコピーする方式であるため、更新に時差が生じる。本研究では、更新時の情報伝達をサーバ側から送る「プッシュ型」の機構を採り入れ、更新の同期を可能にする。 平成12年度は主にオープンソースな仕組みを採用した既存のデータ同期機構に関する詳細な調査とそれに基づくシステムの設計の検討を行った。それに際して、ミシガン大学のInternet Public Library(IPL,http://www.ipl.org/)のミラーサイトの運用を開始し(http://ipl.ulis.ac.jp/)、そこで用いられている定期的なプッシュ型のミラー機構に関する技術の特徴と問題点について実践的な観点での検討を行った。調査の結果、既存のデータ同期機構では特定のファイル形式に依存するか、ファイルシステムに依存する形で実現されていることが明確になった。また、設計に基づいたシステムの開発に着手し、開発環境の整備も同時に行った。
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