研究概要 |
従来の分散型データベースの研究では,あらかじめ蓄積されたデータのための情報構造,検索モデル,構築方式等の研究が中心であった.従って,データの配信・転送機能に関する基盤技術の検討が不十分であった.本研究では,現在注目を集めている高速ネットワークおよびディジタル衛星放送サービスを用いた次世代マルチメディアコンテンツ配信の要素技術の確立を目的とするものである. 具体的には,ハイパーメディア・コンテンツをサーバーからクライアントに配信するために,時間的一貫性を保証するリンク制御方式,および自律的検索モデルを開発した.また,放送型データの特徴である分散環境における連続的・重複配信のための,自律的質問処理方式・トランザクション管理方式の開発を行った.さらに,連続メディアの特性を考慮したビデオ映像ストリームの自動内容記述モデル,リアルタイム配信制御機構の開発を行った. 1.放送型ハイパーメディアの構造化方式 電子ニュースデータのハイパーメディア変換方式,動的リンク生成機構,および時間的一貫性管理のための有効性管理モデルを提案した.また,実データを基にした実験・評価を行った. 2.構造化データの連続的検索方式 プッシュ型技術を用いた動的なデータ配信機能としての質問処理・放送型トランザクション管理方式についての方式設計を行った.また,拡張ハイパーリンク構造に基づく放送型データサーバー・検索エンジンの試作システムの開発を行った. 3.ビデオ映像ストリームのリアルタイム編集・配信方式 モバイル環境におけるビデオ映像ストリームの編集・配信機能としてのモデルの開発,および音声入力装置を用いた自動内容記述モデルと内容インデックス生成方式の研究を行った.また,方式の検証のために,マルチ・ビデオ映像ストリームを用いた動的番組生成システムを構築し,評価実験を行うことで有効性を確認した.
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