半構造データを扱うシステムには、(1)段階的にスキーマを決定し、データベースを構築する機構と、(2)蓄えられたデータ群から共通構造や関連を検出する機構、の2つが必要とされる。 今年度の研究では、半構造データの構造を表現するための概念を拡張し、その概念と半構造データを格納するためのプロトタイプシステムの作成を行った。 半構造データの構造を表現するための機構としては、これまでにシェイプエントリとシェイプが存在したが、今年度の研究において、これらを用いたシェイプグラフを提案した。シェイプグラフは、シェイプから構成され、シェイプをデータベースの要素ごとに取りまとめる役割を持つ。シェイプグラフを用いることで、半構造データベースの構造を表現することが可能になり、半構造データの共通構造や関連を検出する機構を実現に必要な情報を得ることができる。 また、プロトタイプシステムは、商用のオブジェクトリレーショナルDBMSであるUniSQL/Xを用いて実装している。実装にあたっては、DREAMモデルをUniSQL/Xのデータモデルで表現し、DREAMモデルの要素をUniSQL/Xのデータベース上で管理している。また、格納したデータを操作するためのAPI関数の設計と実装も行った。現在は、作成したプロトタイプシステムに半構造データのサンプルを格納し、シェイプグラフの構築とその検索機構の実現を行い、その性能評価を行おうとしている段階である。
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