情報処理機器の普及と機器の処理能力向上に伴い、計算機には様々な情報が蓄積され利用されるようになってきている。学校における個人データや成績データ、WWWページのアクセス記録、医療機関における病歴データなど様々な情報が蓄積され、利用されている。このような秘匿性を要するデータで統計解析を行なう場合、組織外からネットワークを介してのデータ利用は困難である。そこで、元データの組織外への提供は行わずに、解析プログラムを受け入れて、その解析結果だけを返すシステムがあれば、データ保有組織はデータを公開する必要はなく、解析者も求める処理結果を得ることが可能となる。そこで、自葎的に移動・実行するエージェントを用いて、「遠隔地から非公開情報を安全に解析する移動エージェントシステムの開発」を行なっている。 現在までの成果を以下に示す。 1.外部からの情報解析のための枠組の構築 枠組として、「認証・アクセス権限・機密性・完全性の検査・否認不能性・監査・可用性」の7項目の要求を考えた。詳細は割愛する。また、データベース操作インターフェイスを考案し、それとともに、実行レベルを導入した。 2.移動エージェントによるデータ解析システムの試作 移動エージェントをJAVA言語で、受け入れサーバの処理スクリプトをRuby言語を用いて、システムを試作した。データベースシステムの例としてPostgreSQLを用いた。 なお、認証機構は簡単なものしか導入していない。平成13年度は、頑健な認証機構の導入について検討する。
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