各種情報システムの利用者が、その情報システムの利用目的や興味、関心、習熟の度合等に応じて効果的に利用できるために、本年度は、利用者の感性に応じて直観的な利用を促すメディアとしてのユーザインタフェースを動的に構成し、提供するためのユーザ適応UI自動構成システムの基本設計、および利用者の情報システム利用履歴に基づく提供情報の内容特徴推測手法のモデルを明らかにした。 ユーザ適応UI自動構成システムでは、各種サービスの実現のために情報システムで提供される共通の機能仕様から、利用者の情報システムに対する習熟の度合(ユーザモデル)に基づき、複数種類のユーザインタフェース定義を出力する。このために本システムは、ユーザインタフェース合成ルールおよびユーザインタフェース合成エンジンから構成される。これにより、サービスの内容や利用方法を十分に理解していない利用者や逆にサービス内容や利用方法を熟知し、その操作技術も高い利用者に対し、それぞれ適切なユーザインタフェースを提供することが可能となる。 また提供情報の内容特徴推測手法では、情報システムに対する利用者の利用履歴から統計的手法を用い、提供される情報の予め明示的に示されていない特徴を推測し、その特徴を示すインデックスの半自動生成や、利用者の目的や興味に対するサービスの適合の度合を示す評価関数を生成する。これにより、情報システムにより提供される大量の情報の中から、求める情報を容易に選択することが可能となる。 次年度は、これらの研究成果をもとに実験システムを構築し、設計したUI自動構成システムにより生成されたユーザインタフェース、ならびに提供情報の内容特徴推測手法を用いた情報提供手法の有効性を検証する。
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