研究概要 |
プラズマエッチングにおいては,壁面堆積物の剥離に起因する微粒子の基板への付着が問題となっている.エッチングプラズマは電気的負性ガスを用いている場合がをほとんどであり,上述の問題を解決するには,負性プラズマとそのシース中での帯電微粒子挙動を明らかにすることが重要である. 本研究では,SF_6を用いた負性プラズマとそのシース中に単一微粒子を添加し,その軌跡の可視化することで,微粒子挙動を調べた. 負に帯電した電極からシース中に入射した微粒子は,入射速度が10cm/s程度以下と遅い場合イオンシース内で反射すること,入射速度が20cm/s以上と速い場合シースを通過しプラズマバルク部に到達することを明らかにした.シース内での微粒子挙動から,シース内の壁近傍では微粒子は正に帯電しており,シース内のプラズマ・シース境界近傍では正に帯電していることが分かった.また,数値計算との比較から,1)本来,プラズマバルク部でのみ適用できる軌道制限理論によって,イオンシース内での微粒子帯電量をある程度定量的に正しく評価できること,2)シース内のイオンエネルギー分布が,微粒子帯電量と挙動の正しい予測に重要であることが分かった.
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