研究概要 |
本年度は、デカルト座標系におけるz軸回りの対称性を仮定したLevermore & Pomraning理論に基づく二次元一般座標系荷電粒子拡散コードを開発し、種々の密度・温度のプラズマ条件のもと、任意の非直交格子に対して精度良く荷電粒子のエネルギー付与密度を時間・空間依存で計算できることを確認した。x-y面上に投影した二次元格子は一般座標系の手法で扱っている。このコードは計算格子が流体運動に伴い変形するLagrange型二次元流体コードとの結合を想定している。 慣性核融合用の統合爆縮コードの開発が現在も大阪大学を中心に続けられているが、流体部をLagrange的手法で扱う場合,燃焼計算の途中で格子の変形・ねじれ等に起因して数値計算が破綻(計算の続行が不可能となる状態)する困難な状況に直面しており、現段階で有効な解決策は見つけられていない。時間によらず計算格子を固定したEuler型流体コードではこのような問題は原理的に生じない。この観点から、Euler型流体コードとの結合を想定したデカルト座標系の二次元及び三次元の拡散コードを現在開発中である。また、拡散コードの結合対象となるべき流体コードの開発にも現在着手している。この流体コードに開発済みの荷電粒子拡散コードを組み込んで、荷電粒子の振舞い(エネルギー・運動量付与)が流体不安定性に対して及ぼす効果を定性・定量的に評価することを計画している。
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