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2000 年度 実績報告書

液体金属-水の液液界面における沸騰熱伝達に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12780383
研究機関京都大学

研究代表者

齋藤 泰司  京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40283684)

キーワード沸騰熱伝達 / 液体金属 / シビアアクシデント / 直接接触伝熱 / 液液界面
研究概要

平成12年度は、静置された水と溶融金属の液液二層間の界面における沸騰熱伝達の実験を行い、定常状態および非定常状態における沸騰熱伝達率の測定を行った。以下に得られた結果をまとめる。まず、定常状態における実験結果から、以下の結論を得た。
(1)溶融金属に対する容器壁面の濡れ性および界面の温度分布は、液液界面の安定性に大きな影響を及ぼすことがわかった。容器壁面において沸騰が生じると界面を大きく揺動させ、液体金属のエントレインメントが生じることが分かった。
(2)液液界面に酸化物が存在する場合、液液系の沸騰熱伝達は固液系の沸騰熱伝達とほぼ一致する。
(3)液液界面は沸騰気泡の離脱によって揺動するが、既存の実験で報告されてきた激しい揺動や溶融金属のエントレインメントは観察されなかった。
(4)液液界面が清浄である場合、気泡核の役割を果たす酸化物が減少するので、沸騰熱伝達が悪くなり沸騰曲線が高過熱度側に移行するが、沸騰開始および限界熱流束の値は変化しなかった。
(5)液液系の沸騰熱伝達では、サブクール度の増大により沸騰開始および限界熱流束が上昇するが、核沸騰領域における熱伝達は影響を受けない。
さらに、非定常状態における沸騰熱伝達実験実験を行い、時系列変化、沸騰曲線から以下の結論を得た。
(1)非定常状態における膜沸騰の熱伝達率は固液系のものよりも大きい、これは界面の大きな揺動などによって、熱伝達が促進されたものと考えられる。
(2)非定常の沸騰曲線は定常の沸騰曲線と比較すると全体的に高過熱度側へ偏るが、これは高熱流束域においては、界面温度の算出の誤差が大きいためと考えられ、さらに精度の高い実験が必要である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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