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2000 年度 実績報告書

新潟県内の環境水の水文学的特徴-酸素・水素同位体および化学組成から見た挙動-

研究課題

研究課題/領域番号 12780402
研究機関新潟大学

研究代表者

狩野 直樹  新潟大学, 工学部, 助教授 (00272857)

キーワード新潟県 / 環境動態 / 降水 / 河川水 / 酸素・水素安定同位体比 / トリチウム / 希土類元素
研究概要

新潟県内の環境水の動態,水系分布や水循環の全体像に関する知見を得るため,県内の降水(新潟市を中心に県内8地点)や代表的な河川水(信濃川水系の西川,中之口川を中心に阿賀野川など)について,酸素,水素の安定同位体比(δD,δ^<18>O)およびトリチウム(T)濃度の測定を定期的に行った。また汚染実態や元素挙動の把握のため,主要イオン(Na^+,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>,Cl^-,NO_3^-,SO_4^<2->,HCO_3^-)および希土類元素,ウラン,トリウム(REEs,U,Th)の定量を行った。その結果,(1)県内各地の降水のδD,δ^<18>Oは,春期から夏期にかけて変動が大きく,秋期から冬期にかけては比較的変動が小さい。すなわち季節的な気団の変化に大きな影響を受けている。(2)新潟市の降水のδ^<18>Oは,概して降水量が多い月ほど小さくなる傾向が見られた。(3)新潟市の降水では,春季から夏季にかけてT濃度が大きくなる傾向が見られた。これは,大気中に存在するTのフォールアウトに起因するスプリングピークと考えられる。(4)新潟市の降水中の主要イオン濃度も,季節的な気団の変化の影響を受け,冬期に濃度が上昇する傾向が見られた。特に,Na^+,Mg^<2+>,Cl^-等の海塩由来成分にその特徴が顕著に見られた。(5)河川水のδ^<18>Oは,新潟市の降水のδ^<18>Oに比べて1年を通しての変動は小さいが,一般に上流よりも下流の方が大きくなる傾向が見られた。(6)河川水における主要イオンおよび希土類元素,U,Th濃度の季節変動には,農業排水などの人間活動による影響が大きいと推定される。などの知見が得られた。
また,上記の研究と並行して,Tが環境(や生態系)に及ぼす影響を評価するための基礎実験として,官能基を持った機能性物質とHTO水との間でおこる同位体交換反応(T-for-H交換反応,OT-for-OH交換反応)の研究も行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 今泉洋: "三置換芳香族化合物の反応性の同時解析-固気系でのT-for-H交換の利用-"Radioisotopes. 49・6. 285-291 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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