研究概要 |
今年度は,税制のグリーン化への改革問題について取り組んだ. 第一に「日本型」環境税のあり方を考えるために,地方政府による環境税導入の可能性について研究した.具体的には,1地方自治体における環境政策の展開,2環境政策と費用負担((1)環境政策と費用負担,(2)環境税とは何か?,(3)税制のグリーン化),3「日本型」環境税のあり方-現行制度からの地方自治体における環境税導入の可能性,4「日本型」環境税への志向-日本における地域からの取り組み((1)「自動車税のグリーン化」,(2)管理主体間の費用負担のありかた),5地方における「日本型」環境税の課題について検討した. 第二に,これまで取り組んできた環境税制改革の実現可能性について、1ピグ-的課税からボーモル=オーツ税,二重の配当論に至るまでの理論的考察と,2スウェーデン,オランダの環境税制改革の実証研究,3日本における環境税導入の可能性についての研究成果についてまとめた単著の出版準備を進めている(最終校正段階). 第三に,日本における地方環境税導入について,特に,最近東京都の自動車税のグリーン化を中心として提案されている環境関連目的の法定外普通税あるいは法定外目的税の利用による地方独自の環境税導入について検討した.これについては,2001年度日本地方財政学会(2001年5月,大阪市立大学にて開催)において,共通論題の分科会にて報告する予定である. 最後に,1991年の導入時以来,継続的に研究を進めているスウェーデンの窒素酸化物排出課徴金制度(インセンティブ型環境税と補助金のワンセット型目的税)について,データ収集,データ処理を行った.これについては,次年度以降に学会報告を通じて公表する予定である.
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