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2000 年度 実績報告書

低湿地性植物の繁殖特性と遺伝的変異に基づいた保全指針の検討

研究課題

研究課題/領域番号 12780432
研究機関大阪市立自然史博物館

研究代表者

藤井 伸二  大阪市立自然史博物館, 学芸課, 学芸員 (40228945)

キーワード低湿地性植物 / 繁殖生態 / 分布 / 琵琶湖 / 内湖
研究概要

初年度は,低湿地性植物の琵琶湖岸における分布と繁殖生態の調査を行った.今津市浜分の琵琶湖岸および内湖に定点調査区を設け,湿地性植物の個体群動態と季節消長について調査し,同時に周辺域での各種の分布について明らかにした.その結果,1)琵琶湖岸と内湖の両方に出現するタイプ(オニナルコスゲ,ノウルシ,ナガバノウナギツカミ,サデクサなど),2)琵琶湖岸のみに出現するタイプ(ヤガミスゲ,タコノアシ,ミゾコウジュなど),3)内湖にのみ出現するタイプ(ヤナギトラノオ,ヌマゼリなど)に類型化することができた.これらの植物の分布パターンと種子散布様式およびその他の生態的特性との対応関係を検討した.その結果,タイプ1は大形種子性で安定した環境を好むものが多く,タイプ2は小型種子性で撹乱環境を好むものが多いこと,タイプ3は遺存的な植物が多い傾向が認められた.これらの類型化と各植物種の生態的特性を基に,遺伝的な多様性の評価を行う予定である.
酵素多型による遺伝的変異の解析のため,電気永動装置を購入・セットアップし,稼働のための調整を行った.地理的な遺伝的変異の解析のためのサンプルを琵琶湖の各地から採取した.琵琶湖岸以外では,淀川水系(京都市伏見区宇治川河川敷,高槻市鵜殿淀川河川敷),由良川水系(福知山市由良川河川敷,宮津市由良川河口),櫛田川水系(松阪市松瀬櫛田川河口湿地)での現地調査と材料採取を行った.
保全指針の検討にあたっては,分布型や生育型だけではなく,全国的な分布様式や遺存的な植物であることも重要な基準である.次年度に,具体的な遺伝的多様性の検討に基づいてこれらの評価を行う予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 藤井伸二,栗林実: "琵琶湖におけるヤナギトラノオの分布"水草研究会会報. 70. 17-19 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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