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2001 年度 実績報告書

ゲンジボタル・ルシフェラーゼ:反応中間複合体結晶の低温X線結晶構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 12780451
研究機関理化学研究所

研究代表者

中津 亨  理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, 連携研究員 (50293949)

キーワードルシフェラーゼ / ルシフェリン / オキシルシフェリン / 生物発光 / X線結晶構造解析 / 反応中間複合体 / ATP
研究概要

本研究の目的はゲンジボタルルシフェラーゼの発光反応現象を立体構造に基づき、その機構を明らかにすることである。ルシフェラーゼは最終生成物である励起されたオキシルシフェリンが基底状態に戻るときに緑色の発光を起こす。そこで今回は発光反応を終了させた構造、すなわちAMPとオキシルシフェリン複合体のX線結晶構造解析を行った。結晶化は沈殿剤にPEG4000、塩としてLiClを用いておこなった。得られた結晶のX線回折強度データの収集はSPring-8のビームラインBL45PXにおいて行い、1.6Å分解能の回折強度データが得られた。すでに得られているATP:デヒドロルシフェリン複合体の立体構造から電子密度図を計算したところ、オキシルシフェリンおよびAMPの電子密度がともに観測された。ATP:デヒドロルシフェリン複合体では、本来予想される結合様式ではない非選択的な構造が観測された。しかし今回の構造ではチアゾール官の酸素がAMPのαリン酸の近傍に位置し、ルシフェラーゼが本来持つルシフェリンの結合の様式を初めて明らかにした。またオキシルシフェリンのベンゾチアゾール官の窒素原子が水を介してルシフェラーゼと結合しており、ルシフェリンの認識に重要な結合であることが判明した。
また発光色を決定している要因を探るために橙色に発光するSer286Asn変異体についても同様の複合体のX線結晶構造解析を行った。1.5分解能で構造を決定したところ、オキシルシフェリンの結合様式は野生型のときとは異なり、デヒドロルシフェリン複合体の時に見られた非選択的な反転した結合様式で結合していた。これは生成されたオキシルシフェリンが一旦酵素外に放出された後、もう一度酵素内に戻り活性を失活させると考えられた。このことはこの変異体が野生型に比べて発光の減衰が早いことを説明できると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Boehlein, S.K., Nakatsu, et al.: "Characterization of inhibitors acting at the synthetase site of Escherichia coli asparagine synthetase B"Biochemistry. 40・37. 11168-11175 (2001)

  • [文献書誌] Shimizu, T., Nakatsu, T., Miyairi, K., Okuno, T., Kato, H.: "Crystallization and preliminary X-ray study of endopolygalacturonase from the pathogenic fungus Stereum purpureum"Acta Crystallogr D. 57・8. 1171-1173 (2001)

  • [文献書誌] Hibi, T., Hisada, H., Nakatsu, T., Kato, H., Oda, J.: "Escherichia coli B gamma-glutamylcysteine synthetase : modification, purification, cryst allization and preliminary cryst allographic analysis"Acta Crystallogr D. 58・2. 316-318 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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