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2000 年度 実績報告書

染色体の複製開始を制御する新たな分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 12780519
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

上村 陽一郎  国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (20321599)

キーワード染色体DNA複製 / 複製開始反応 / DNAポリメラーゼ / Dpb11 / Cdc45 / 出芽酵母
研究概要

我々のグループは、出芽酵母のSld3、Cdc45をDpb11と遺伝学的に相互作用する因子として同定した。Dpb11は染色体DNA複製開始の際に、DNAポリメラーゼを複製開始領域にローディングする機能をもつ。このことから、Sld3、Cdc45も複製開始反応において重要な機能を果たすことが予想された。そこで、本年度は、Sld3とCdc45の機能解析を行った。CDC45とSLD3の間には、遺伝学的、物理的相互作用が観察された。SLD3の温度感受性変異を用いた解析では、この因子がDpb11同様、染色体DNA複製の初期に機能していることが示された。更に、Sld3と複製開始領域との結合を調べた結果、Cdc45と同様、S期初期に使用される複製開始領域にはG1期から、S期後期に使用される複製開始点にはS期に入ってから結合することが明らかになった。また、SLD3の温度感受性変異を含むタンパク質では複製開始領域との結合が低下しており、この結合がSld3の機能にとって重要であることが示された。次に、Sld3、Cdc45の機能と各々の因子の複製開始領域との結合について調べた結果、Sld3、Cdc45はお互いの機能に依存して複製開始領域に結合していた。これらのことから、Sld3とCdc45は複合体を形成し、この複合体形成が複製開始領域との結合に必要であることが示された。最後に、Sld3-Cdc45の複合体が染色体DNA複製にどのような機能を果たすのかを調べた。染色体DNA複製開始の際には、複製開始領域の二本鎖DNAが一本鎖に解離しなければならず、これを、複製開始領域とRP-A(一本鎖結合タンパク質)との結合によって調べた。その結果、RP-Aと複製開始領域の結合はSLD3の温度感受性変異株では観察されず、Sld3-Cdc45の複合体が複製開始領域の一本鎖解離反応に必要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上村陽一郎: "複製複合体の構築"実験医学. 18・7. 949-956 (2000)

  • [文献書誌] Yoichiro Kamimura: "Sld3, which interacts with Cdc45(Sld4), functions for chromosomal DNA replication in Saccharomyces cerevisiae."EMBO Journal. (In press).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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