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2000 年度 実績報告書

ホヤ胚の筋肉細胞分化決定機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12780554
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 ゆたか  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40314174)

キーワードユウレイボヤ / 筋肉細胞分化 / Cs-mepl / モルフォリノオリゴ / 遠心卵片
研究概要

1. ユウレイボヤ卵を遠心して生じる四種類の卵片のうち、黒卵片と名付けられた卵片には筋分化決定因子や、内胚葉分化あるいは原腸陥入にかかわると因子が含まれている。一方、赤卵片と名付けられた卵片にはこれらの因子は含まれない。そこで、この二つの卵片のmRNAから作製した黒卵片特異的サブトラクションライブラリーを用いて発現クローニングを行った。一次スクリーニングで陽性だったクローンについてさらに解析を進め、単一クローンを単離し、Cs-meplと名付けた。Cs-meplにコードされるタンパク質は既知のタンパク質と類似性を示さなかった。この遺伝子は母性に存在する他、32細胞期から初期原腸胚期にかけて動物極側のすべての割球で発現する。また、この遺伝子の過剰発現は幼生において尾部の重複を引き起こすことが明らかとなった。
2. ホヤ卵でのmRNA過剰発現実験はこれまでに大きな成果を上げてきたが、たとえば、1で単離した遺伝子の機能を明らかにするためには遺伝子発現の阻害実験が不可欠である。近年、モルフォリノオリゴヌクレオチドを用いたmRNAの翻訳阻害がいくつかの動物で有効であることが示されてきた。そこで、この系がホヤ胚においても有効であるかどうかを検証した。内胚葉マーカーであるアルカリ性フォスファターゼの発現や、卵に顕微注入した大腸菌lacZ mRNAの発現はモルフォリノオリゴの顕微注入により阻害された。また、β-catenin.Brachyuryなどを含む数種類の機能既知の遺伝子についても阻害実験を試みたところ、その機能から予想される表現型が得られ、このオリゴヌクレオチドを用いた機能阻害がホヤ胚においても有効であることが明らかとなった。次年度にはこの実験系を用い、Cs-meplの機能阻害実験を試みる。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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