研究概要 |
発生過程におけるホメオボックス遺伝子の部位特異的な発現は、個体の正常な発生に不可欠であるが、その発現を確立する機構は解明されていない。申請者は、ホメオボックス遺伝子の部位特異的発現機構を明らかにすることを目的として発現クローニング法を用いたスクリーニングをおこない、アフリカツメガエル胚の腹側と後方に特異的なホメオボックス遺伝子(Xhox3,HoxB9)の発現を誘導する因子としてxE2F遺伝子を得た(Suzuki,A.& Hemmati-Brivanlou,A.Molecular Cell 5,217-229,2000)。 本研究では、1.Xhox3およびHoxB9遺伝子のプロモーターを単離してxE2F結合配列を同定すること、2.アフリカツメガエル初期胚を用いて、xE2F結合配列を含むプロモーター領域の部位特異的転写活性を確認すること、3.Xhox3およびHoxB9プロモーターの部位特異的転写活性におけるxE2F結合配列の必要性を検討することを目標とした。今年度は、肝臓由来DNAを用いてアフリカツメガエル・ゲノムライブラリー作製したのち、これを用いてXhox3とHoxB9遺伝子の5′上流領域のクローニングをおこなった。その結果、Xhox3遺伝子についてポジティブクローンを得ており、現在は塩基配列の決定をおこなっている。
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