我々は多細胞系でのSecl/Munc-18ファミリーの機能を明らかにするため系統的な発現解析と機能解析を行っている。本年度の研究実施計画に基づきSecl/Munc-18ファミリーの1つC44C1.4について(1)cDNA塩基配列決定とレポーターアッセイによる発現解析および(2)欠失変異体分離と表現型解析を行った。 (1)cDNA塩基配列を明らかにしC44C1.4が547アミノ酸をコードし酵母のVps45およびマウスVps45ホモログと高い相同性を示すこと(40-47%同一性)を見い出した。Vps45はゴルジ体から液胞への分泌経路で働くためC44C1.4(CeVps45と命名)はゴルジ体からリソソームへの経路に関与することが予想された。CeVps45の発現はリソソームの発達している腸管細胞で特に高く、その他多くの細胞でも発現が認められた。 (2)さらにCeVps45の機能を明らかにするため我々が開発した高効率な欠失変異体作成法を用いてTMP処理株のプールからコード領域に約1.2kbの欠失をもつ変異体(tm246)を分離した。tm246は温度感受性劣性幼虫致死であり母性効果のあることがわかった。現在制限温度でのゴルジ体-リソソーム経路の異常を詳しく検討中である。
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