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2001 年度 実績報告書

痛みの伝達・制御におけるノシセプチン代謝の重要性

研究課題

研究課題/領域番号 12780592
研究機関第一薬科大学

研究代表者

櫻田 誓  第一薬科大学, 薬学部, 講師 (30279244)

キーワードノシセプチン / 脊髄 / 代謝 / エンドペプチダーゼ 24.11 / 疼痛
研究概要

ノシセプチン(NC)の脊髄疼痛伝達・制御における役割を明らかにする目的で、脊髄シナプスにおけるNCの代謝過程を明らかにし、その代謝産物の生理作用を明らかにした。
(1)脊髄シナプス膜標品によるNCの代謝:マウス脊髄シナプス膜標品によりNC分解を解析した結果、その主要代謝産物はNC(1-13),NC(14-17)であった。また、NCの分解及び主要代謝産物の生成は、エンドペプチダーゼ24.11(NEP)の特異的阻害剤である、ホスホラミドンとチオルファンで強く抑制された。
(2)NEPによるNCの代謝:NEP酵素精製標品によるNCの分解を解析したところ、マウス脊髄シナプス膜標品による分解で主要なフラグメントとして検出された、NC(1-13),NC(14-17)のみが生成された。
(3)NCの脊髄くも膜下腔内(IT)投与によって誘発される疼痛関連(SBL)行動に対する阻害剤の効果:NC IT投与によって誘発されるSBL行動に対するペプチダーゼ阻害剤の効果を解析したところ、ホスホラミドンがSBL行動を用量依存的に増強させた。
(4)NC誘発性SBL行動に対するNC代謝物の効果:NC IT投与によって誘発されるSBL行動に対するNC(1-7),NC(1-9),NC(1-13)の効果を解析したところ、いずれのフラグメントも用量依存的にNC誘発性SBL行動を抑制した。とくに、NC(1-13)はNC誘発性SBL行動に対し、等濃度で有意に抑制することができた。また、NC(1-13)はサブスタンスPおよびNMDA誘発性のSBL行動に対しては無影響であり、NCの作用に対して選択的であった。
以上の結果より、脊髄シナプスのNEPによるNCの代謝は、NC自体のシナプス伝達を終結させるばかりでなく、NC(1-13)を生成させ、新たなる活性(鎮痛)を生ずる二面性があった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Chikal Sakurada 他: "Involvement of tachykinin NK1 receptors in nociceptin-induced hyperalgesia in mice"Brain Research. 841. 85-92 (1999)

  • [文献書誌] Tsukasa Sakurada 他: "Evidence that N-terminal fragments of nociceptin modulate nociceptin-induced soratching, bitina and licking in mice"Neuroscience Letters. 279. 61-64 (2000)

  • [文献書誌] 花岡 一雄 他: "オピオイドの基礎と臨床"株式会社 ミクス. 238 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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