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2001 年度 実績報告書

マウス系統間の鎮痛薬感受性差とミューオピオイド受容体遺伝子配列相違との関連解析

研究課題

研究課題/領域番号 12780609
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

池田 和隆  財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (60281656)

キーワードミューオピオイド受容体 / CXBKマウス / 非翻訳領域 / 鎮痛 / 個人差 / 系統差 / モルヒネ / 野生マウス
研究概要

鎮痛薬感受性個人差の分子メカニズムの解明を目指し、各種マウス系統の鎮痛薬感受性とミューオピオイド受容体(MOR)遺伝子配列の差異との関連解析を行った。第1に、MOR遺伝子のゲノム構造がほぼ明らかになった。翻訳開始点より5'側約5000塩基の配列、終止コドンより3'側約12000塩基の配列、およびメッセンジャーRNA(mRNA)の3'末端部位をそれぞれ初めて明らかにした。第2に、モルヒネ鎮痛効果が減弱していることで知られるCXBKマウスに関して、MOR遺伝子解析を行った。分子生物学的解析の結果、CXBKマウスにおけるMORのmRNAは正常なアミノ酸をコードするが、塩基長が異常に長く、発現量が60%程に減弱していることが明らかになった。さらにCXBKマウスにおけるMOR遺伝子配列を詳細に検討した結果、3'非翻訳領域対応部分にDNAが挿入していることが明らかとなった。CXBKマウスではMORmRNAの非翻訳領域が異常であるためにこのmRNA量が減少し、オピオイドの効果が減弱することが考えられた。非翻訳領域は翻訳領域と比べその塩基配列が分子進化的にあまり保存されていないので、MORmRNA非翻訳領域がマウス系統間で異なることが、マウス系統間での鎮痛薬感受性に差異が有ることの分子メカニズムの一つである可能性が示唆された。第3に、多種多様な表現型を示す野生由来マウスに関して、MOR遺伝子の塩基配列を解析し、その多様性を明らかにした。以上の結果より、MOR遺伝子配列の差異はオピオイド鎮痛の系統差を引き起こしている可能性が強く示唆された。ヒトにおける鎮痛薬感受性個人差の遺伝子メカニズムを明らかにする上で、MOR遺伝子の塩基配列差異を検討することが極めて重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ikeda K, et al.: "The untranslated region of mu-opioid-receptor mRNA contributes to reduced opioid sensitivity in CXBK mice"J.Neurosci. 21. 1334-1339 (2001)

  • [文献書誌] Ikeda K, et al.: "Comparison of two intracranial self-stimulation (ICSS) paradigms in C57BL/6 mice : head-dipping and place-learning"Behav.Brain.Res. 126(1-2). 49-56 (2001)

  • [文献書誌] Kobayashi T, et al.: "Functional characterization of an endogenous Xenopus oocyte adenosine receptor"Br.J.Pharmacol. 135(2). 313-322 (2002)

  • [文献書誌] 池田和隆, 他: "GIRKチャネル"生体の科学. 52(2). 164-165 (2001)

  • [文献書誌] 池田和隆, 他: "アルコールと脳機能"日本醸造協会誌. 97. 124-130 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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