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2000 年度 実績報告書

冗長性を有する筋・骨格系のフィードバックFES制御に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 12780634
研究機関東北大学

研究代表者

渡邉 高志  東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90250696)

キーワード機能的電気刺激 / FES / フィードバック制御 / 不良設定問題 / 冗長性 / 一般化逆行列 / PID制御
研究概要

機能的電気刺激(FES)による筋骨格系の制御においては、電気刺激時の筋骨格系の入出力関係(刺激強度-関節角度特性)に冗長性があり、刺激強度の決定が不良設定問題になることが多い。本研究では、そのような系のフィードバック制御を実現するための検討を行い、本年度は以下の成果を得た。
1.健常被験者での刺激実験を想定し、4チャネルの刺激が可能なプログラマブル刺激システムを構築した。パーソナルコンピュータ、信号入出力ボード、アイソレータを中心に構成し、制御アルゴリズムをソフトウェアで記述できるようにした。
2.健常者の手関節の2自由度運動を4筋により制御することを対象に、多チャネル刺激データの一括調整法を検討した。ここでは、最初に、各筋の電気刺激に対する入出力特性(刺激強度-関節角度)を電気角度計を利用して計測し、制御時の刺激閾値と最大値を決定して、その間を直線近似した。この直線の傾きを要素とすることにより、刺激強度と関節角度とを関係付ける行列を求めた。制御を行う際には、その行列の一般化逆行列を利用し、制御中の関節角度を電気角度計により計測して、目標関節角度との差から刺激強度の調整量を規定した。この方法について、表面電極を用いた刺激実験により、遅い速度の運動については良好に制御できることを確認したが、目標動作の速度が大きくなると遅れが問題になることが明らかになった。
3.応答の遅れの問題を解決するために多入力多出力のPID制御器を構成し、そのパラメータ決定法を提案した。この方法では、CHR法を拡張して多入力多出力の系に適用し、先に求めた一般化逆行列とあわせて、PID制御器のパラメータを決定した。この方法を用いて、健常被験者での刺激実験を行い、目標動作の速度が大きい場合でも、おおむね良好な制御が実現できることを健常被験者での表面電気刺激実験により確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 飯渕寛 他: "FESにおける冗長性を有する筋骨格系の多チャネル閉ループ制御に関する検討"医用電子と生体工学. 38(特). 344 (2000)

  • [文献書誌] K.Iibuchi, et al.: "A Study of Multichannel Feedback Control of the Wrist Joint by FES"International Workshop on FES. 20-21 (2000)

  • [文献書誌] T.Watanabe, et al.: "An Application of PID Control to Redundant Musculoskeletal System for Multichannel FES"1st Conference of Asia-Pacific Functional Electrical Stimulation Society. 18 (2000)

  • [文献書誌] 飯渕寛 他: "手関節の多チャネルフィードバックFES制御に関する検討"電子情報通信学会技術研究報告(MEとバイオサイバネティックス研究会). 100(478). 117-124 (2000)

  • [文献書誌] 渡辺高志 他: "閉ループFES制御での刺激強度決定における不良設定問題解決法の実験的検討"医用電子と生体工学. 39(特)(発表予定). (2001)

  • [文献書誌] T.Watanabe, et al.: "A Method for Solving ill-posed Problem in Multichannel Closed-loop FES Control"Proceedings of the 6th International FES Society. (発表予定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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