研究分担者 |
伊藤 勲 群馬大学, 工学部, 教授 (40008511)
斉藤 正浩 群馬大学, 工学部, 助手 (50170527)
天谷 賢児 群馬大学, 工学部, 助教授 (20221731)
根津 紀久雄 群馬大学, 工学部, 教授 (40114186)
楠元 一臣 群馬大学, 工学部, 講師 (80221927)
|
研究概要 |
本研究は低温プラズマ反応を利用して,都市ごみの焼却施設である燃焼炉壁を耐高温耐食性に富んだ材質に変えるべく,その創製と同時に高効率熱交換用のボイラー管壁の表面改質を狙いとしている.更に,低温プラズマ反応管内に燃焼ガスを通すことによってドライにして塩化水素ガスやガス中に高濃度に含まれる重金属類を分解させることを目的としている. 初年度はこれらの目的に対して,基礎的にして重要な以下の知見を得た. 1.反応管である石英管の周囲より,無電極高周波誘導加熱を行い,管内の排気と同時にアルゴンガス及び窒素ガスを送り込むことにより,管内にて低温プラズマを発生させることに成功した. 2.管内プラズマ雰囲気の温度とプラズマ内に置かれた物体の温度は素線径が0.05mmのRタイプ熱電対で測定できることが判明し,プラズマ内物体周りの熱伝達特性が把握できた.これによって複雑にして不明なプラズマ粒子の拡散,吸着,分解プロセスの機構解明の糸口がつかめた. 3.プラズマ反応管炉内にチタン円柱を挿入し,キャリア反応ガスとして窒素ガスを導入したところ,チタン円柱母材の表面に耐磨耗性に富んだ硬い窒化チタンのセラミック皮膜を生成させることができた. 4.プラズマ反応管炉内にマグネシウム板を挿入し,キャリア反応ガスとして窒素ガスを導入したところ,マグネシウム母材の表面に耐磨耗性に富んだ窒化マグネシウムのセラミック皮膜を生成させることができた. 今後,このプラズマ反応を利用して,高温燃焼に耐え,かつ熱交換に適した熱伝導性の良好な表面改質材の創製を目指すことと,プラズマ反応による排ガス(特に塩化水素ガス)の分解へとその歩を進める必要がある.
|