研究課題
本研究は、液晶ディスプレイに用いられる薄膜トランジスタ(TFT)製造の際のパターン転写技術に関するものである。現行のパターン転写は、スピンコートしたフォト・レジストにパターンの描かれた光を照射することにより行っているが、本研究では、高分子薄膜を試料に密着させ、その上からパターンの描かれた原版を圧着して凹凸のパターンを高分子膜上に形成する、いわゆるインプリント方式の印刷技術を用いる新規パターン転写法により、液晶ディスプレイの廉価な生産技術を提供することを目的としている。まず、高分子薄膜としてポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン系感光膜などを使用してパターン転写実験を行い、ポリスチレン系感光膜に凹凸パターンを形成した後に紫外光照射により固化させると、その後のエッチング工程にも耐えられ、数μmサイズのパターン転写が可能なことを明らかにした。次に、10cm×10cmサイズのインプリント・パターン転写装置を構築し、これにより、アモルファス・シリコンTFTの試作を行ったところ、それが、従来からのフォト・リソグラフィーを用いた場合と同程度の特性を示すことを見い出し、本年度の研究目的を達成した。
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