研究分担者 |
小島 尚人 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (00205387)
小林 哲夫 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70112430)
落合 英俊 九州大学, 大学院・工学究科, 教授 (00039679)
高田 誠 中央開発(株), 九州事業部, 地盤技術部長
山本 健太郎 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40305157)
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研究概要 |
本研究は,(1)斜面崩壊の素因を明らかにするための原位置試験,室内土質試験,(2)誘因に関する情報を得るための現地計測システムの確立,(3)素因,誘因に関するデータを用いて斜面の安定度をリアルタイムで評価するための斜面安定解析に関するコンピュータプログラムの開発から成り立っている。 各項目に関する研究実績概要を個条書きにする。 (1)に関する研究: ・鹿児島県内6カ所の斜面を新に現地計測地点として選定し,ボーリング調査,簡易貫入試験,試料採取,採取試料による室内土質試験(粒度試験,土粒子密度試験,密度試験,保水性試験,透水試験,一面せん断試験)を行った。 ・鹿児島県内のシラス斜面から採取したシラスの粘土鉱物をX線回折装置を用いて同定し,風化の指標となる粘土鉱物の定量的評価法に関する考察を行った。 ・ビードサンプラーを用いて分析のための溶融試料をつくり、火砕流堆積物の化学分析を行い,火砕流堆積物の堆積過程に関する考察を加えた。 ・国分市の南九州東回り自動車道建設現場のシラス斜面を対象とし,リモートセンシング技術,現地調査等を統合した危険斜面の同定手法の開発を試みた。 (2)に関する研究: ・従来からの現地計測(4カ所)を継続するとともに,鹿児島県内6カ所の斜面を新に現地計測地点として選定し,雨量,サクションの現地計測を開始した。新たな6カ所ではデータロガーにファイルされたデータを現地に赴いて回収するシステムになっているが,来年度に電話回線(有線)を利用したリモートシステムにすることを計画している。 (3)に関する研究 ・(1)によって得られた素因に関する斜面情報を入力し,数値力学モデルを利用したコンピュータプログラムの構築を行った。 ・含水比に依存して変化する見かけの粘着成分を定量的に評価できるモデルを提案し,斜面安定解析に適用した。
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