研究課題/領域番号 |
12793001
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鈴木 款 静岡大学, 理学部, 教授 (30252159)
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研究分担者 |
衛藤 英男 静岡大学, 農学部, 教授 (10076747)
藤原 健智 静岡大学, 理学部, 助教授 (80209121)
カサレト ベアトリス 水圏科学コンサルタント, 主任研究員
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
塩井 祐三 静岡大学, 理学部, 教授 (70094092)
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キーワード | 駿河湾 / 深層水 / 有機物 / 生物生産 / 有機物分解 / プランクトン / 微生物 / 栄養塩 |
研究概要 |
駿河湾深層水の利用に関する基礎研究では、「味覚と鮮度」「基礎生物生産:光合成促進」「生態系利用による二酸化炭素の環境対策」が重要な課題と考えられる。これら三つの課題は、すべて海水中の有機物の特性と生物生産。分解過程と深く関係している。本年度の研究では駿河湾海水中の栄養塩,有機物濃度、プランクトンの種組成、微生物分布,有機物の分解速度、組成等について研究を行った。(1)海水中の粒子態および溶存態有機炭素の鉛直分布:海水中の有機物の変動を量的に示す最っと良い指標は有機炭素・窒素濃度である。溶存有機炭素の同じ観測点での昼(1)、夜(2)、朝(3)の3回の分布の変動を季節による違いを観測した。10月の表層のDOC濃度は一昼夜で60μmolC/Lから110μmolC/Lと2倍近く変動している。特に夜間に高く、朝には減少している。200m以深ではほぼ同程度の有機炭素が存在している。その濃度は40〜50μmolC/Lで、これを有機物の28%が炭素だとして、有機物の量に換算すると、深層水には1.7〜2.1mg/Lの有機物が含まれている。粒子態炭素濃度は深層においては5μmolC/Lであり、有機物量に換算すると0.2mg/L存在している。さらに、限外ろ過膜装置(Millpore proxM-25と多孔質ガラス膜の異なる二つの方法)とマイクロアシライザー(旭化成)を用いて有機物の濃縮について検討した。その結果深層水中の有機炭素の30〜60%程度が脱塩水中に濃縮された。(2)深層水の有機物組成と微生物数について:有機物の特性では、粒子態有機物の組成は深層水ではたんぱく質が40%、核酸が5%、脂質は23%、炭水化物は13%、未知同定が19%である。溶存有機物の組成は深層水でアミノ酸は5%以下、炭水化物は10%、脂質は.8%で、残りの80%近くは未同定である。この未同定の有機物のうち50%程度は腐植酸と考えられるが、腐植酸は特定の化合物ではないため、より詳細な同定が必要である。微生物の数は表層で1mlの海水中に20万細菌数、深層水で1万前後から数千程度である。深層の細菌は表層の水温で有機物を加えて分解実験を行うと、有機物の量に対応して増加する。
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