研究課題/領域番号 |
12793004
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研究種目 |
地域連携推進研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 東京工業大学 (2001-2003) 神戸大学 (2000) |
研究代表者 |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科(研究院), 教授 (90135426)
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研究分担者 |
河本 洋二 神戸大学, 理学部, 教授 (00030776)
境 哲男 産業技術総合研究所, 関西センター 電池システム連携研究体, 研究体長
辰巳 国明 産業技術総合研究所, 生活環境系・特別研究体・次世代電池研究グループ, グループリーダー
田淵 光春 産業技術総合研究所, 生活環境系 特別研究体界面イオニクス研究グループ, 主任研究員
神山 崇 東京工業大学, 物質構造科学研究所, 助教授 (60194982)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | リチウムインターカレーション材料 / エピタキシャル膜 / レーザーアブレーション / リチウムイオン二次電池 / 薄膜合成 |
研究概要 |
層状岩塩型酸化物LiMO2(M:Ni, Co, Ni1-yCoy)はリチウムインターカレーション特性を示し、リチウム電池の正極材料として注目されている。しかし、合成条件によりリチウムと遷移金属が不規則配列し、磁性や電気化学特性に影響を与える。本研究では構造中の不規則配列と物性の関係を、LiNi1-yCoyO2で明らかにしようとした。 粉末試料LiNi1-yCoyO2は出発物質に水酸化リチウム、酢酸コバルト、酢酸ニッケルを用い、725℃で24時間焼成して合成した。構造決定のための中性子回折はKEKのSIRIUSとVEGA回折計を用いた。磁性は5K〜300KまでSQUIDを用いて測定した。電気化学特性は正極にLiNi1-yCoyO2、負極にリチウムを用いた電池を作製して調べた。 粉末試料Li1-δ(Ni1-yCoy)1+δO2の磁気挙動はスピングラス的挙動を示した。スピングラス転移温度Tgは不規則配列の程度δの増加に伴って高温側ヘシフトし、磁性と不規則配列は強い相関関係を示した。またLi1-δ(Ni1-yCoy)1+δO2の放電容量はδの減少に伴って増加し、電気化学特性は不規則配列と相関性を示した。 さらに、理想的な界面の構築を目指してPLD法によるLiMO2単結晶薄膜の合成を試みた。その結果、基板により配向性が制御されたLiMO2エピタキシャル膜を合成することに成功した。 一方、リチウムマンガンスピネルLiMn2O4では実用化に際し、高温保存時の充放電特性が問題となっている。様々な合成条件で試料を合成し、高温劣化前後の構造を中性子回折測定により解析した。その結果、マンガンが表面だけではなくバルク構造から溶出している結果が得られた。また酸素占有率も低下し、高温保存によりバルク構造が崩れていくことを明らかにした。
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