研究課題/領域番号 |
12793007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026572)
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研究分担者 |
稲熊 隆博 カゴメ(株), 総合研究所基礎研究部, 部長
原口 健司 京都府立茶業研究所, 主任
竹中 康之 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (20273518)
藤田 裕之 日本サプリメント(株), 研究・開発部長
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キーワード | Rubisco / オピオイド / elastase / rubiscolin / 鎮痛 / 学習促進 / naltrindole / アンジオテンシン変換酵素 |
研究概要 |
Ribulose-1,5-bisphophate carboxy lase/oxygenase(Rubisco)は光合成の際の炭酸固定に関与する酵素であり、すべての光合成生物中に存在する。Rubiscoは緑葉タンパク質の1/3-1/2を占めることから、地球上で最も豊富に存在するタンパク質と言われている。Rubiscoは各々8個のlarge subunitとsmall subunitから構成される、分子量約50万のタンパク質であり、特にlarge subunitは植物タンパク質としては例外的に良好なアミノ酸組成を有している。今回、ホウレンソウRubisco large subunitからTyr-Pro-Leu-Asp-Leu-Pheという構造のオピオイドペプチドがelastaseの作用によって派生することをマウス輸精管のオピオイドアッセイ系を用いて見出し、rubiscolinと命名した。本ペプチドの相当する配列は殆どすべての植物のRubisco large subunit中に保存されていることから、野菜等緑葉を摂取した際には体内で生成すると考えられる。本ペプチドはδタイプのオピオイドレセプターに対して選択性を示した(IC_<50>=30μM)。rubiscolinはマウスに対する200mg/kgの経口投与で鎮痛活性を示した。また、step through装置を用いた受動的回避実験では、100mg/kgの訓練直後の経口投与により学習促進効果を示し、その作用はδオピオイドアンタゴニストであるnaltrindoleによって阻害された。 その他、Rubiscoの酵素消化によりアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドが派生することを見出している。
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