研究課題/領域番号 |
12793008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
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研究分担者 |
永岡 真 京都大学, 化学研究所, 助手 (60314275)
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40263149)
二木 史朗 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50199402)
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キーワード | 亜鉛フィンガー / 遺伝子ターゲット / 人工タンパク質 / 人工制限酵素 / 人工リプレッサー / DNA湾曲 / DNA認識 / DNAモチーフ |
研究概要 |
亜鉛フィンガー型DNA結合モチーフは、その繰り返し構造ゆえに約3塩基ずつ認識するモジュールの連結体として見ることができ、この単純な構造は従来のDNA結合モチーフにはない特徴であり、新たな塩基配列を認識する分子の合理的な設計に大きな道を開いている。マルチ亜鉛フィンガーモチーフを利用して、巨大分子である染色体遺伝子の特定の位置を自在に切断したり、特定塩基配列部位に選択的に結合するような分子の開発は、ゲノム遺伝子解析やDNA結合蛋白質の機能解析に不可欠であるばかりでなく、アンチセンス分子や人工リプレッサーを用いる遺伝子治療の観点からも極めて興味深い。 本年度は、新しいDNA湾曲能を有する亜鉛フィンガーペプチド、長いDNA塩基配列認識能を有するマルチ亜鉛フィンガーペプチド、さらには、GCとAT配列が混合したDNA塩基配列を認識する新規亜鉛フィンガーペプチドなどを設計・創製した。特に、鉛フィンガーの認識ヘリックス全体に着目し、新たなAT配列認識亜鉛フィンガーの創製研究から、新規亜鉛フィンガーのデザインにおける認識ヘリックス交換の有用性を明確に示すことが出来た。すなわち、GC配列認識型亜鉛フィンガータンパク質Sp1の3つの亜鉛フィンガーの認識ヘリックスAT配列認識型亜鉛フィンガータンパク質CF2の対応する亜鉛フィンガーの認識ヘリックスに交換した人工亜鉛フィンガータンパク質は、特異的かつ強固にAT配列DNAに結合した。認識ヘリックス交換法は、ファージディスプレイ法よりもはるかに簡便で有用な手法である。新たに創られた人工亜鉛フィンガーペプチドのDNA認識能や転写制御能などの生物機能評価が行われ、この結果を基に、さらに優れた人工亜鉛フィンガーペプチドの研究を展開中である。
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