研究課題
第一年目では以下の2項目を実施した。1)既存の寒冷地メタン発酵装置、120平方m3のプラグフロー型メタン発酵槽で60m3/dayの消化ガスの産出を確認した。夏季から現在まで、前川研究室で開発された担体を10%投入して、実験を行った。日最低気温が氷点下28℃になる日もあったが、酸発酵の温度は目標とする22℃前後を保つことが可能であった。この結果メタン発酵槽の温度は、十分なガス生成を得るのに必要とされる20℃以上に保たれ、大きなガス生成量の落ち込みは見られなかった。2)2000年7月23日〜24日に現地検討委員会を開催した。第1日には北海道別海町交流センター「郊楽苑」にて研究の進め方を協議した。第2日は別海町「マルチメディア館」において、酪農関係者及び地域の農業協同組合の関係者ならびに町農林課50数名に対し、メタン発酵と電気化学的処理(前川孝昭)、北海道における家畜糞尿管理の現状と問題点(松田従三)、デンマークのバイオガスプラント(合田素行)の3課題について講演し、質疑応答を行った。講演会終了後別海町西春別の別海町酪農研究牧場に設置してある「寒冷地型メタン発酵装置」について井上武雄氏より説明を受けた。上記の実験および現地検討会により得られた資料、知見、情報などを第2年目の空知郡北村のモデル設計に重要な情報になり、それらのデータの活用によって、寒冷地メタン発酵による家畜糞尿の低コスト処理システムの開発と設計基準の確立が可能となると考える。
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