研究分担者 |
古屋 宏二 北海道立衛生研究所, 疫学部, 科長(研究職)
佐藤 直樹 北海道大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70205946)
佐藤 雄一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00291229)
田村 正秀 北海道立衛生研究所, 所長(研究職)
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
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研究概要 |
1)エキノコックス症の非特異的、特異的免疫療法の確立 マウス(C57BL/6)を用いたエキノコックス感染系を樹立して、アルベンダゾール単独治療(A)、サイトカイン単独治療(B)、単クローン抗体単独治療(C)の効果を比較検討し、それぞれの単独療法の工夫と併用療法の工夫の一日も早い実現のためにP3レベルの感染実験室の整備を急いで来たが、昨年3月に竣工し,4月から上記実験をスタートした.しかしマウス腹腔内パッサージされてきた原頭節材料は多くの未知微生物によって汚染されている事が予想され,現在純化に勤めている.その可能性は2)の結果からも予想された. 2)エキノコックス症の血清診断法の精度向上とサハリン州における海外疫学調査 住民一次検診に用いられているELISAキット(道衛研法)、単包虫症検出キットを用いて,平成13年9月サハリン州住民1014名の血清検査を実施した.陽性例40名(道民の10倍に相当)について二次検診を実施したが,多包虫症は0名,単包虫症が3名(島外移住者)であった.使用されているエキノコックス(Em)抗原の精度管理の問題点が明かとなった.平成14年3月には,サハリン州サハリン島で捕獲された22匹のキツネの腸管内の虫卵,虫体の検査を行ったが,全例陰性であった.北海道のキツネの約50%が汚染しているのとは対照的である.今後サハリン州クリル諸島での調査を踏まえ,極東アジアの中での北海道のエキノコックス汚染の実熊を明かにして行く予定である.
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