研究分担者 |
新田 勇 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30159082)
寺島 和浩 新潟大学, 工学部, 助教授 (50251848)
大森 豪 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (70283009)
佐藤 一男 (財)新潟県県央地域地場産業振興センター, 技術開発課, 課長(研究職)
星 輝男 瑞穂医科工業株式会社, 五泉工場, 工場長(研究職)
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研究概要 |
本研究は,大腿骨頭壊死症をはじめとする、一定期間の寛骨臼と大腿骨頭間の接触を防止する、いわゆる股関節における免荷が要求される患者に対して画期的な治療法を実現する高機能型免荷デバイスを開発することを目的としており,初年度には,実際の骨頭壊死患者の術前運動機能および歩行形態の解析を行って得られた結果を基にして、特発性大腿骨頭壊死患者の股関節運動の制限および日常生活レベルでの拘束を調べた後、創製システムを利用してデバイスの試作を行った。 本研究で開発するデバイスは、装着時に、日常生活、特に、排泄や椅子に座る動作が可能となる股関節可動域を保証する機能を有することが前提である。そこで、特発性大腿骨頭壊死患者(33歳,男性)および比較のための若年健常者(22歳,男性)が平坦路を自由歩行する際の,足底圧力変化,股関節運動,床反力を、感圧導電体センサ、6自由度電気角度計、3分力計をそれぞれ利用して測定し,健常者のデータと比較して以下の知見を得た。(1)大腿骨頭壊死患者の松葉杖歩行は,健側では爪先離床時の蹴り出しが弱く,ほぼ前足部内側のみが接地し,患側は床面に僅かに接する程度である。(2)松葉杖を用いた歩行では,下肢の振り出しにより推進力を得るため,健側の最大屈曲角度は健常者のそれよりも大きくなるが,常に股関節を屈曲状態に保つため伸展は認められない。(3)松葉杖歩行では,患側に荷重が作用しない様に歩行し,関節の可動範囲と床反力は共に健常者に比べて極めて小さい。次に、試作したデバイスを股関節モデルに装着し、免荷機能を確認するための実験を行った。関節モデルの材質は実際の人の股関節よりも剛性が低く、変形しやすいため、過大な負荷(最大1400N)状態での免荷機能を調べ、骨盤モデルは大きく変形するがデバイスの免荷効果は十分認められることを明示した。
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