研究課題/領域番号 |
12800002
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
米倉 誠一郎 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (00158528)
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研究分担者 |
下田 隆二 文部科学省, 科学技術政策研究所, 総務研究官 (30313448)
長岡 貞男 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (00255952)
後藤 晃 東京大学, 先端経済工学研究センター, 教授 (20054380)
青島 矢一 一橋大学, イノベーション研究センター, 助教授 (70282928)
武石 彰 一橋大学, イノベーション研究センター, 助教授 (60303054)
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キーワード | 社会科学 / イノベーション / 社会的プロセス / OECD / CSTP / 国際連合大学 / 学際的研究 / 問題解決志向 |
研究概要 |
本研究は、OECDのCSTPが進めている社会科学の役割の再検討に呼応した国際的な視野の下、イノベーションの社会的プロセスを社会科学的に研究することによりイノベーションの促進方法を明らかにするとともに、これにより、社会にとって有益な社会科学の一つのあり方を提示しようとするものである。初年度である昨年度は社会科学研究が取り組むべき今日的な課題についての現状の把握とその明確化、「社会科学とイノベーション」というテーマの国際ワークショップの開催準備と開催を進めた(2000年11月)。 本年度は、前年度の成果を受けて、第一に、東京で開催した国際ワークショッブの成果のとりまとめに取り組んだ。基調講演と本ワークショップ(2日間、80名が参加)の議論を要約し、ワークショップを通じて提示された社会科学の問題点、とくにイノベーションとの関わりにおける役割や課題を明らかにした。その成果は、国際ワークショップを共催した国際連合大学と協力し、一冊の報告書にまとめられ、OECDからSocial Sciences and Innovationと題するレポートとして出版された。 第二に、1999年秋から続いてきた一連のワークショップ(1999年10月オタワ(カナダ)、2000年6月ブルージュ(ベルギー)、2000年11月東京)の集大成としてリスボン(ポルトガル)で開催されたワークショップ(Re-inventing the Social Sciences : Prospects and Assessment)にイノベーション研究センターから二名が参加し、東京での議論の成果を紹介するとともに、社会科学の役割、課題についての議論に参加した。 一連のワークショップでの議論では、イノベーションの社会的プロセスの研究が非常に重要であること、社会の問題解決を目標としていろいろな専門分野、地域、立場の人々が協力しながらイノベーションの研究を進めることが求められていることがくり返し、強調され、確認された。これらの議論をふまえ、世界でもほとんど例をみない、イノベーションの社会的プロセスを専門に扱う学際的研究機関として社会の要請にこたえるべく、イノベーション研究センターの研究活動をさらに強化していく方策、具体的な研究活動を準備するのが本年度の三番面の活動であった。最終年度の平成14年度にはより具体的な研究活動に取り組んでいく予定である(例えば、イノベーションが次々にうまれる新分野についての、産学連携に基づく国際的、学際的研究活動の実施、混迷を続ける日本の経済産業の問題点を探り、その課題を明らかにするための国際的な研究プロジェクトの実施などの具体的な検討、準備作業にとりかかっている)。
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