研究課題
3年計画の初年度にあたる本年は、全体研究会を開催し、この問題の持つ拡がりを踏まえたうえで研究を進めるにあたりどこに焦点を絞るのがよいか、という観点からインテンシブな議論を行った。同時に、以下の3点について具体的な作業を行った。1.既存調査の再分析平成9-11年度科研費「研究資源の供給と研究成果との関係についての調査研究」の調査データを活用し、新たな視点からデータ分析を実施した。時系列では、3年間の研究資源の変化とその要因について分析を行うとともに、急激な研究費の増減が研究体制や研究成果にもたらす影響について検討を行った。同時に、研究費と研究設備とのギャップとその影響についても検討した。2.大規模研究グループへの聞き取り調査政府出資金による基礎研究制度をはじめとする、大規模な研究助成が増加しつつある。例外的な存在ではなくなりつつあるがゆえに制度的対応が求められるであろう大規模研究活動の実態を把握するため、分野ごとに調査対象をリストアップし、調査の枠組みについて検討を進めた。3.海外の実態調査マルティファンディングという研究費の配分形態に対して大学によるシステマテイックな対応が最も進んでいる米国において、資金提供側としてはNSFおよびNIH、資金受領側としてはバーシニア工科大学、ジョージワシントン大学などを訪問し実態調査を実施した。