研究課題
特別研究促進費
本研究は、日本の大学の財務構造について実証的な分析を行うとともに、国際的な視点から比較を行い、将来の日本の高等教育についての含意を検討することを目的として研究を進めてきた。研究最終年度の本年は以下の作業をおこなった。(1)学校基本調査などの個票データ(本科研において利用許可が得られたもの)を用いて、各大学における項目別、目的別の支出が、大学間にどのように分布し、またそれが大学の特質とどのように関連しているのか、さらには学生一人あたりコストがどの程度の水準にあるかなどについて基本的な分析を行った。(2)国際比較の観点からは、主要各国の高等教育財政について基本的な資料を収集するとともに、13年度までに構築した比較分析のための枠組みに基づいて実証的な分析を実施した。(3)これらの作業に基づいて、日本の大学財政・財務、とくに国立大学の財政・財務のあり方について基本的な検討をおこなうとともに、具体的な政府補助金のありかたについて、いくつかの具体的な方法を想定して(国立大学の再編統合も含む)、それがどのような影響を与えるのかを検討した。3年の研究期間にわたる作業を踏まえて、高等教育財政・財務に関する総合的な研究成果を報告書として取りまとめた。当該報告書は第1部「国立大学とファインディングシステム」、第2部「国立大学財政・財務の変動-マクロ分析-」、第3部「国立大学財政・財務の変動-機関分析-」よりなり、計21本の論文が掲載されている。
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